「申し訳ございませんでした」


マツリは職員室でぺこぺこ頭を下げていた。


「謝るのは簡単だよ」「津山先生は生徒の管理がなってない」

厭味に傷付かないよう、ただ謝る。ばかみたいにただ謝る。


「…もういいから、帰りなさい」

「しゅにん……本当に、申し訳ございません…でした」

謝れるだけ謝り倒し、マツリは愛車に乗り込んだ。

苛々が最高潮だ。
どうしてあんな問題児が自分の担当なのだろうか。不公平ではないか。

(森崎さえ居なければテスト平均点トップの優秀クラスなのに!!)


怒り任せにアクセルを踏み、校門を抜け―――



「あいつ!」


マツリが目にしたのは、ストレスの原因の男子生徒と学年1のマドンナの女子生徒。


「キスかよっ!」