「モリサキー!!」

腹の底から搾り出した大声にぴくりともせず、にやにやした笑みを向ける生徒。


「森崎!あんたっもう今週何回目よ?!」

叱咤しようがお構い無しな緊張感のない態度に、マツリの怒りは頂点を通り越した。


ふざけるな、そう怒鳴ろうとした時――

足音と共に「また森崎かー」と数人の先生が集まってきた。

それを合図に逃避を実行する森崎に「待ちなさいよ!!」と言うも威力はなかった。


残ったのはガラスの抜けたサッシと、床に散らばる透明の破片。



そして、

「また津山先生のクラスか」


―――同僚からの厭味。