「呼び出しよ!って、もう居るけど。主任に捕まりたくないのよ!!

これ以上私の評価を下げないで!!来なさい、今日はとことん話をします!!」

リキがどうこうするより先に、簡単にマツリ自ら進路指導室に入っていき密室を作り出す。

ご丁寧に、プライバシー保護目的で使用する“許可なく開放厳禁”のプレートを引っ提げて…。



「さあ、座りなさい」

四畳半の狭い部屋には机2つと椅子2つしかなかった。


「…先生、ごめんね」

大人しく謝れば目を見開くマツリの反応にしめたと心の中で勝算を得る。


「俺ん家、金持ちなんだ、親父は余所に女囲って。母親は俺を産まなきゃ良かったとなげく。

それが嫌で一人暮らしを始めたんだ」

事実を述べると、マツリは信じられないといった顔をして自分を見ている。