放課後は部活に入っている生徒しか居ないので、昼間とは違い少し静かだ。

職員室、クラスの教室、リキはマツリを探すもなかなか見つからなかった。

もともと短気な方なので、そろそろ待つのも疲れた。



試しに、マツリが来るか他の教師が来るか一か八かガラスを思いっ切り割ってみると―――


「モリサキ!!!またあんた!!」

(来た!)


リキの思惑通り現れたのは、新米教師津山マツリ。

後ろに一本に束ねられた長い髪と、黒縁眼鏡の中の澄んだ瞳、

ぱっと見、地味だがスタイルの良いパンツスーツ姿の女が現れた。


「今日という今日は許さないんだから!!」

怒りとは違う“叱る声”はリキの鼓膜を甘く揺らす。