side めぐみ



「今から入学式をはじめます。」まだ名前も知らないおじさんの声。
回りのみんなは誰もその人のはなしなど聞いていなかった。


私もそのみんなの中にまじっていた。




内気で消極的なわたし。そんなわたしが本音で話せる相手はさきしかいなかった。




さきは回りがなんにも見えなくて突っ走ってしまうまるで猪のような子だった。



でもそんなさきをわたしは大好きだった。