宅配員が視界から消えるのを見届けて、ドアを閉めチェーンをかけた。
 一人暮らしをしていると、こういう応対も全て自分でやらないと、いけないのが面倒なかぎりだ。


「何かなー」
 気を取り直して足下に置かれた箱を持ってみた。
「うわ!軽い」
 それは拍子抜けするほど軽かった。まるで中に綿でも詰まってるんじゃないかと思うほど。



 取りあえずリビングまで運んで床に置いた。
 机からハサミを取り出して箱を開封する。中に一枚説明書の様な物が入っていて、その隣りに綺麗に装飾された箱があった。
「キャビネットってやつかなぁ?」
 つぶやきながら、差出人を探した。



「あれー?」
それらしい物は見あたらない。