「居るならもっと早く出なさいよ!! ってか下降りてきて!」


「へ、へい! ただいま!」


 顔をひっこめ、俺は全速力で階段を駆け下りる。


「ぬおぉっ!!」


 二段飛ばしなんかしちゃったもんだから、途中で踏み外しそうになって冷や汗かいた。


「――っはぁ、はぁ……。ナナってばどしたの?」


 薄茶色のドアを開け、佇むナナに声を掛ける。