なにもない壁をミカンは叩いた。

「ラオウCALL『G部隊』副隊長『ミカン』です。任務遂行帰還および、入国希望者随行のため入国を申請します。」



すると、なにもなかったはずの白い壁に四角く線が入り、ドアのように開いた。

中から警備員のようなピシッとした格好の爽やかな青年が現れた。

両腰にやけに湾曲した短剣を装備していた。

青年、恐らく門番と思われるその人は、ミカンを見つけると笑顔になった。


「ミカン副隊長、お疲れ様です。単騎での任務いかがでした?」


階級とかはよく分からないが、敬語を使っているので、門番よりミカンの方が強いか格上なのだろう…



「熱かったわ~。途中『双月のイオ』にも会ったし…。」


「イオ?あぁ、あの二級犯罪者ですね…。会ったって…倒してないんですか…」


「ん~ん。倒したのは彼。CALL入隊希望者だったから、連れてきたの。私の推薦付きでね。」


「ほう…お二人が…。入国希望者でしたね?副隊長の推薦もあるので、軽い審査だけ行いますね?では、こちらへ…」