「ほら、見えた。あの城壁の向こうが『ラオウ』よ。」


上り坂の岩丘を越えた先、二人の視界に広がったのは、巨大な城壁だった。


ちょうど全体像を斜め上から見ている状態だが、その大きな城壁により、半分以上、中が見えなかった。


「わ~っ!」

「すっげぇ~!」


初めてみる『国』に、二人は興奮しっぱなしだった。





「二人ともこっち。入国手続きをするから、入門所に案内してあげる。」






見上げると首が届かないほどの真っ白な城壁。

そこには等間隔に、『入門所』と呼ばれる、いわゆるラオウに出入りするための機関があった。