「残念だったわね、『双月のイオ』。」

イオと呼ばれた青年の前で見下すように立つミカン。


「お前…『橙爆(とうばく)のミカン』か…!?ちっ…副隊長のいる小隊とはな…」


「あら?私以外はCALL隊員ですらないわよ?」


「けっ…そうかよ…。俺は…『処罰』されるのか…?」


「えぇ、一応形式上、手順を踏みましょうかしら?」


『双月のイオ』

第二級ラオウ国内犯罪者

3件におよぶ強盗殺人により、『国外追放処分』

またCALL隊員の義務および他国には自由権での『国外処罰』が許可される


「よって、私にはあなたを処罰する義務があります。任務外だし、危害さえ加えなければ見逃してのいいかなと思ってたけど。」


イオの刃のついたブーメランを取り、首筋に構えた。


「そうもいかないわね。さようなら。」


頸動脈を綺麗に寸断し、痛みや苦しみを与える間もなく、イオの息の根を止めた。


ブーメランが光となって消え、ミカンは少しの間、黙祷をした。


「さて。行きましょう?ラオウはもうすぐよ。」


重い空気を自ら断ち切り、ミカンは歩を進めた。


フィヨルド、エルメスは、イオの死体をなるべく見ないよう、ミカンのもとへついていった。


第4話 【完】