CALL =フィヨルド=

四度のブーメランの分析が終わったフィヨルド。

次のブーメランの襲来を無視し、入口付近の岩に向かって、居合斬りの構えをした。


《予測が正しければ…》


しかし、背後からブーメランが迫ってきていた。


「……!あぶな

「大丈夫ですよ。あいつは分かってる…」


構えを変えることなく、ブーメランを見ることなく、半歩体を前にずらした。


ブーメランはフィヨルドに当たることなく、空を切り裂き、フィヨルドが凝視していたポイントへと消えていこうとしていた。


岩の後ろへと行く瞬間、ディオブレードから紅色のパルスが溢れ纏った。


「正解!!」


腰下にあったブレードを逆手で振り抜いたと同時に、三日月状の紅いパルス波が弾丸のように放出された。


「『炎牙剣(えんがけん)』!」


とても重いものがぶつかったかのように、炎牙剣は岩を破砕し、大きな砂埃を上げた。