CALL =フィヨルド=

《くっ…それなら!》

「エルメス!ミカンさん、しばらく回避し続けて!俺がなんとかする!」

ブーメランを撃ち落とすことを諦め、ブーメランの軌道をずっと目で追いかけた。


ただ追いかけるだけでなく、ブーメランの速度、湾曲角度、回転数、岩から飛び出す瞬間からまた戻る時間間隔、情報を全て分析していった。


そして二本目の襲来、エルメスやミカンより一歩早く、ブーメランの射出位置に反応していた。


《このドーム状の岩丘を時計周りに移動していたとして…。円周とここからの距離…、ブーメランの速度から考えて…》




「すごいわね、フィヨルドくん。少ない情報をあれだけ分析するなんて…」

できるかどうかは別にして、ミカンは素直に感心していた。


「『索敵力』だけなら俺のが上だけど、『分析力』なら、間違いなくフィヨルドが上ですから。」