不規則な岩が並ぶ丘
そりたった岩や
小さな山のような岩
フィヨルドたちが入った区域は、周りを高い岩に囲まれた、ドーム状の岩場。
そこで感じる異感な視線…
粘り気のあるその視線は、明らかに親意をもったものではない。
「なんか…いますね…。キメラじゃない…」
先に気づいたのはフィヨルド、ミカンも気づいてはいたが、声にはしていなかった。
「隠れるのが上手いわね、さて。問題は、攻撃の意志があるかどうか…」
すると、風の音を切るかのように、ヒュンヒュンとなにかが回転する音が聞こえてきた。
「どうやら、思いっきり襲う気まんまんみたいね。かわして!」
ミカンの叫びが飛ぶ寸前、エルメスの背後の岩の間から、取っ手以外ほとんどトゲだらけな『ブーメラン』が飛んできた!