ミカンが仲間に加わってから約3時間ほどで、砂漠を抜け、焦げ茶色の大きな岩ばかりでできた丘へと辿りついた。


「はぁ~…やっと砂漠が終わったぁ~」


熱気とストレスのこもったため息を吐き出したエルメス


「この岩丘自体はそんなに広くはないし、暑くもないから、ちゃっちゃと行きましょうか?ここを越えれば、ラオウはもう見えてくるわ」


マントを外し、大きめの青いシャツと七分の白いズボンの姿になった、シンプルながらも、それを着こなす確かなスタイルで、かわいさを引き立たせている。


「そういえば、CALLの試験ってどんなんなんですか?」

「あ、そうだ。せっかく現役の人がいるんだから、対策とか聞きたいな。」


「ざ~んねん。試験の内容は毎回違っていて、合格者数も合格率も開催年によって全然変わるの。

私の時、2年前は二人一組のチーム戦で、その時の合格者は私達ともう一組だけ。

去年は確か…、クイズ大会みたいなのだったかな?合格者がやけに多かったのは覚えてるわ…」


各年の試験内容は各隊がローテーションで行い、その内容と合格者について、他隊は文句を言わないのが鉄則である。

結果として、隊長そのものが自分の隊への合格者を決める傾向の試験が多いため、もともと問題になることがあまり無い。


「人材が少ないのも事実だけど、質も必要な軍であることも事実だからね。レジェンド全員を合格はさせられない、けど優秀なレジェンドは欲しい。毎年各隊は結構大変なんだよね~。」