「ここ…だな…」
川の腹を抜けた先、なんにも整備されていない森を越えたところ、カインに教わった通り。
ここを抜ければ『砂漠』と言っていた砂ばかりの世界があると…
フィヨルドもエルメスも本の挿絵でしか見たことがない
「じゃあ、行くぞ?」
黙ってうなずくエルメス。早く行きたくてしょうがない。
そして…
照り付ける豪快な太陽
どこまでも広がる砂だけの大地
地平線と空の境目が薄ぼんやりとしている
「う、わあぁ!すっ…げえ…」
「あっ…つ~い!」
初めて見る砂漠、初めて感じる暑さに、二人は感動していた。
乾ききった砂を何度も触り、額に垂れる汗を何度もぬぐう。
「この向こうに…ラオウがあるのか…」
まだ見ぬ地平線の先を思う
「早く行こうぜ、暑さで干からびちまう…」
テンション上げたことを若干後悔してるエルメス。
「そうだな。水には限りがあるしな。」
砂の足場に時折脚を取られながらも、二人は森を背に歩いていった。

