「はあ…はぁ…はぁ…」
トロイが二度と起きないことを確認したフィヨルドは、今更来た恐怖に奮えながら、エルメスのもとへ向かった。
「は…はは…。なんとかなった…な…。」
「そう…だな…。はは…めっちゃ怖かった…」
同じ幹に寄り掛かり、座りこむ。
「俺たち、レジェンドになっちゃんたんだな…」
改めて自分の剣を眺める。
トロイの血は多少ついてはいるものの、白銀に煌めくその輝きは今も眩しい。
「俺…もう疲れたな…ちょっと…寝るね…?」
「おいおい…って…あ、ダメだ。俺も…ねむ…いや…」
安心感と安堵感から来る眠気に逆らえず、二人はそのまま熟睡してしまう。
「……!…いた。」
ようやくたどり着いたカインは、二人を見つけ、慌てて周りを見回す。
《……!あれは…トロイ?こいつらが倒したのか!?『三番長』クラスがてこずるトロイを?》
そこで初めて、フィヨルドたちの武器に気づいた。
《まさか…レジェンドに!?…なるほど、倒せるわけだ。》
「パルスの使い方が分からず放出しすぎたな?…よっこら、せっと。」
二人を抱きかかえ、孤児院へと帰る。
《おもしろくなってきたな…。》
第1話 【完】