白銀に煌めく剣を振り上げ、右手に力を込める。


「うおぉぉっ!」

《これが…俺…》




トロイが反応も反射もできない距離、刃が見上げた額に触れる直前

メジャーのように、一瞬にしてワイヤーがエルメスのホルスターに戻った。


「はあっ!」


まるで豆腐でも切るかのよう、聞こえたのは皮膚に減り込む音、後は音も無く一直線にフィヨルドは降りていった。




スタンッ、と柔らかく着地した数秒後…


トロイの体が真っ二つに裂け、左右に半身が倒れていく。

軽い地響きがし、トロイの目の光が消えていった。






《これが…俺の力!》