1時間後…─
「よし、じゃあ今日の勉強はこれでおしまい!ご飯前にフィヨルドは体を動かさないとな?エルメスと一緒に、水汲み行ってきてくれ。」
「「は~い。」」
木のバケツを2つずつ持って、畑のそばにある森へ続く道へと走って行った。
本来、ログハウスから川があるところまでは、木で埋めつくされた不気味な雰囲気ではあるが、
カインがなるべく木の間隔が広い道を補整していた。
そのため弧を描くような道筋になっているが、道以外の森の中は絶対に入ってはいけないとカインからきつく言われている。
「…ん?あれ?エルメス~。こんなの今まであったっけ?」
大回りする直前、不自然に雑に作られた大きな横道があったのをフィヨルドが見つけた。
「え?ううん、無かったと思うけど…」
「ん~…、でもこの道って、まっすぐに川に向かってるよね?ね、ちょっと行ってみよ?」
猜疑心より好奇心が上回ったフィヨルド、しかしエルメスはやや引き気味である。
「え~、やめとこうよ…。なんか…怖いじゃん…」
「大丈夫だって!きっとカイン先生が新しく作ろうした道だって!ほら、行くよ!」
怖がるエルメスをよそに、横道へと走って行くフィヨルド。
「あ!待ってよフィヨルド!」
しかし、二人は気づいていない。
雑に作られたその道は大きな足跡がたくさん踏まれてできたものだと…

