笑うか笑わないかは聞いてみなきゃわかんない。


「…うそくせぇ返事」


さすが幼馴染。

よくわかってるなぁ。


「早く」


そう急かすと椎兎は大きく深呼吸をした。

そんなに気合を入れなきゃいけないほどのことなの?


「……恥ずかしかったんだ」


ボソボソと話し出した椎兎。


「あたしと、手をつなぐのが…?」


そうだったらやだなぁ、と思いながら言うと強く抱きしめられた。


「バカ。違う」


首筋に顔を埋める椎兎はちょっとだけ可愛かったりする。

兎って感じ。


「…なんか、茅とはちっせぇ頃から一緒だったし…キスとか、抱くこともしたのに…いまさら手をつなぐとか恥ずかしくて言い出せなかったんだよっ」


最後の方はもう勢いで言ってる感じだった。

よっぽど恥ずかしいのか椎兎は顔をあたしの首筋に埋めたまま上げない。


「…椎兎」


顔、見たい。