荒々しいキス。
角度を変えて何度も何度も。
「俺といんのに」
唇が腫れぼったくなった頃、ボソッと椎兎が呟いた。
「うん?」
「茅、他のこと考えてたろ?」
思わず、数秒の間を置いてくすくすと笑ってしまった。
「茅」
「ごめんね。でもあたしは椎兎のこと考えてただけだよ」
椎兎みたいな人と付き合ってるのに他の男のことでも考えるとでも思ったのかな。
変なとこで勘違いをする椎兎。
「…本当か?」
「ほんと。でも、あたしの話、ちゃんと聞いてくれると嬉しい」
切なく瞳を揺らす椎兎の頬に手を伸ばした。
「…聞く」
「うん。ありがと」
あたしのカラダを起こすと椎兎は後ろから抱きしめてくれた。

