あたしたちはあのナンパ野郎からなんとか逃げ切れた。 隣で息を切らしている男の人。よく見るとカッコイイ…てか、あたしと同い年くらいかなぁ…? はっ……そんなことを考える前に誰っ!? 「あのっ!あたし、あなたのこと全然知らないんですけど―」 「ったりめーだろーが。俺だって知らねぇよ!」 「ぇ…だって連れだってさっき…」 「あれはその場しのぎの嘘。あのまんま俺が助けてやらなかったらお前確実に連れて行かれてたぞ。俺に感謝しろよな。」 あたしはあのときのことを思い出してまた全身に鳥肌が立った。