俺は彼女の所に駆け足で向かった。詩織ちゃんは腕を組んだままこっちを振り向いた。
「消えたのよクロちゃん。」
「え?消したんじゃなくて?」
「自分から空に消えたのよ。」
「それって…。」
言いかけて詩織ちゃんの声に欠き消された。
「後ろ!クロちゃん!」
「え!?」
弾かれたように振り返ると足がもつれて転びそうになった。
一体のクロちゃんが手を思いきり伸ばして届くか届かないか位の距離に俺の目線の高さで浮かんでいた。
「出た!」
俺が一歩下がって詩織ちゃんと肩を並べると、四方八方が闇色に光り、その闇色の光の中からクロちゃんが現れ、ぐるりと囲まれてしまった。
俺達は背中をぴったりと合わせて立ち、クロちゃんに対峙する。
「1、2、3……10!」
詩織ちゃんは数を数えて舌打ちする。
普段は見せないその様子からかなり危機的な状況に追い込まれていると言うことが、伝わってくる。
「詩織ちゃん。どーする?」
「どーするも、こーするも…」
彼女の体にグッと力が入ったのが背中を通して伝わる。
「やるしかないでしょっ!」
彼女は直ぐ目の前のクロちゃんを叩き切り、すぐさま竹刀を持ってない方の手で俺の腕をぐっ!と掴んだ。
「おぉ!?」
そのままクロちゃんが消えて出来た隙間目掛けて俺を投げたのだ。
俺はその力に逆らうことも出来ず、まるで棒切れの様に投げ飛ばされ、コンクリートに転がって倒れた。
「いってぇー…。」
体のあちこちが痛い。投げ飛ばされた時に擦りむいたみたいだ。
痛みを堪えながら目を開けると詩織ちゃんとクロちゃんが視界に入る。
クロちゃんは詩織ちゃんを囲み牙を剥き出している。一方の詩織ちゃんは鋭い視線でクロちゃんを睨みながら竹刀を構えている。
と、詩織ちゃんの真後ろのクロちゃんが彼女に襲いかかる。
「危な…!」
詩織ちゃんは直ぐ様反応しくるりと後ろを振り向きながら襲いかかってきたクロちゃんを切り裂く。すると間髪入れずにさっきまで正面を向いて対峙していたクロちゃんが彼女を襲う。彼女は体をひねり避けた。かの様に見えたが、クロちゃんの牙は僅かに肩をかすめTシャツが破れ血がシャツににじみ出る。
「くっ…!」
詩織ちゃんは下唇を噛みながら肩を押さえた。
「消えたのよクロちゃん。」
「え?消したんじゃなくて?」
「自分から空に消えたのよ。」
「それって…。」
言いかけて詩織ちゃんの声に欠き消された。
「後ろ!クロちゃん!」
「え!?」
弾かれたように振り返ると足がもつれて転びそうになった。
一体のクロちゃんが手を思いきり伸ばして届くか届かないか位の距離に俺の目線の高さで浮かんでいた。
「出た!」
俺が一歩下がって詩織ちゃんと肩を並べると、四方八方が闇色に光り、その闇色の光の中からクロちゃんが現れ、ぐるりと囲まれてしまった。
俺達は背中をぴったりと合わせて立ち、クロちゃんに対峙する。
「1、2、3……10!」
詩織ちゃんは数を数えて舌打ちする。
普段は見せないその様子からかなり危機的な状況に追い込まれていると言うことが、伝わってくる。
「詩織ちゃん。どーする?」
「どーするも、こーするも…」
彼女の体にグッと力が入ったのが背中を通して伝わる。
「やるしかないでしょっ!」
彼女は直ぐ目の前のクロちゃんを叩き切り、すぐさま竹刀を持ってない方の手で俺の腕をぐっ!と掴んだ。
「おぉ!?」
そのままクロちゃんが消えて出来た隙間目掛けて俺を投げたのだ。
俺はその力に逆らうことも出来ず、まるで棒切れの様に投げ飛ばされ、コンクリートに転がって倒れた。
「いってぇー…。」
体のあちこちが痛い。投げ飛ばされた時に擦りむいたみたいだ。
痛みを堪えながら目を開けると詩織ちゃんとクロちゃんが視界に入る。
クロちゃんは詩織ちゃんを囲み牙を剥き出している。一方の詩織ちゃんは鋭い視線でクロちゃんを睨みながら竹刀を構えている。
と、詩織ちゃんの真後ろのクロちゃんが彼女に襲いかかる。
「危な…!」
詩織ちゃんは直ぐ様反応しくるりと後ろを振り向きながら襲いかかってきたクロちゃんを切り裂く。すると間髪入れずにさっきまで正面を向いて対峙していたクロちゃんが彼女を襲う。彼女は体をひねり避けた。かの様に見えたが、クロちゃんの牙は僅かに肩をかすめTシャツが破れ血がシャツににじみ出る。
「くっ…!」
詩織ちゃんは下唇を噛みながら肩を押さえた。

