校舎の中は想像していたよりも涼しかった。
頭の悪いヤツがバカ騒ぎしてる様子は無く、ひっそり静まり返っていて音といえば俺と詩織ちゃんの歩く音が暗い廊下に響くだけだ。
「変ね。なんにも聞こえない。気づかれたのかしら?」
詩織ちゃんは土足のまま校舎の中を歩いていく。俺もつられて土足のまま詩織ちゃんの横を歩く。
「なぁ…詩織ちゃん。俺たち悪いことしてない?」
「仕方ないじゃない。開いてたんだから。」
やっぱり詩織ちゃんは楽しそうだ。できればこのまま何も起こらないで欲しい。
「出た!」
神様は俺の願いは無視らしい。
もうお馴染みとなったクロちゃんが俺たちの前でふわふわと浮かんでいる。
「じっとしてるのよ〜!」
詩織ちゃんはさっそく竹刀を取り出して構える。
が、
「あぁっ!」
「あっ!」
今まで好戦的だったクロちゃんが、俺達には見向きもせずに直ぐ横の階段を上がって行ってしまった。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
詩織ちゃんはクロちゃんを追う。
俺は詩織ちゃんを追ったが彼女は恐ろしい速さで階段を駆け上がっていて、とても追いつけそうに無い。
「ずるいわねっ!」
と、上から詩織ちゃんの怒った声。
頭上を見上げるとクロちゃんが階段の吹き抜け部分を上昇していくのがぼんやりと見えた。
階段の窓から月明かりが射し込んでいるとは言え、決して明るいとは言えない。
「詩織ちゃんっ!この階段!屋上まで上がれるよーっ!」
「分かったー!」
クロちゃんと詩織ちゃんは俺より先に屋上に出た。
数十秒遅れて俺も屋上に出る。
すでに詩織ちゃんはクロちゃんと戦闘を開始してるに違いない。
首筋から一筋の汗が足元に流れ落ちる。
素早く辺りを見回すと入り口から離れた屋上の角で詩織ちゃんが後ろ姿で立っているのが見えた。
すでにクロちゃんを退治した後なのだろうか?彼女は腕を組んでいる。
気持ちが焦り体がつんのめってコケそうになりながら、
「詩織ちゃんっ!」
と叫ぶ。
頭の悪いヤツがバカ騒ぎしてる様子は無く、ひっそり静まり返っていて音といえば俺と詩織ちゃんの歩く音が暗い廊下に響くだけだ。
「変ね。なんにも聞こえない。気づかれたのかしら?」
詩織ちゃんは土足のまま校舎の中を歩いていく。俺もつられて土足のまま詩織ちゃんの横を歩く。
「なぁ…詩織ちゃん。俺たち悪いことしてない?」
「仕方ないじゃない。開いてたんだから。」
やっぱり詩織ちゃんは楽しそうだ。できればこのまま何も起こらないで欲しい。
「出た!」
神様は俺の願いは無視らしい。
もうお馴染みとなったクロちゃんが俺たちの前でふわふわと浮かんでいる。
「じっとしてるのよ〜!」
詩織ちゃんはさっそく竹刀を取り出して構える。
が、
「あぁっ!」
「あっ!」
今まで好戦的だったクロちゃんが、俺達には見向きもせずに直ぐ横の階段を上がって行ってしまった。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
詩織ちゃんはクロちゃんを追う。
俺は詩織ちゃんを追ったが彼女は恐ろしい速さで階段を駆け上がっていて、とても追いつけそうに無い。
「ずるいわねっ!」
と、上から詩織ちゃんの怒った声。
頭上を見上げるとクロちゃんが階段の吹き抜け部分を上昇していくのがぼんやりと見えた。
階段の窓から月明かりが射し込んでいるとは言え、決して明るいとは言えない。
「詩織ちゃんっ!この階段!屋上まで上がれるよーっ!」
「分かったー!」
クロちゃんと詩織ちゃんは俺より先に屋上に出た。
数十秒遅れて俺も屋上に出る。
すでに詩織ちゃんはクロちゃんと戦闘を開始してるに違いない。
首筋から一筋の汗が足元に流れ落ちる。
素早く辺りを見回すと入り口から離れた屋上の角で詩織ちゃんが後ろ姿で立っているのが見えた。
すでにクロちゃんを退治した後なのだろうか?彼女は腕を組んでいる。
気持ちが焦り体がつんのめってコケそうになりながら、
「詩織ちゃんっ!」
と叫ぶ。

