「ある!ある!そん時は物をぶっ壊したい位ムカついてんだけど、家帰ってからちょっと落ち着いて考えてたら、別にどうでも良いことで怒ってたりしてさ。急にムカつきが抜けちゃうってヤツでしょ!?」
「そう!それよ!その時に心から抜けた怒りの気持ち、つまり矛先を失った怒り、憎しみ、妬みとかが色んな所から集まって一つにまとまったのがクロちゃんだと思うの。」
最もらしい詩織ちゃんの説明に俺は感心していた。
それに気を良くしたのか、詩織ちゃんは勢いづいて更に言葉を続ける。
「そのクロちゃんに取りつかれた人は自分の中のモヤモヤした感情が引き出されちゃうってわけ!」
詩織ちゃんは持っていたアイスの棒で俺の鳩尾の辺りを軽くつついた。
「な、なるほど!それで今日のアイツみたいにおかしくなるわけか。」
「そう!で、どう助けるか?クロちゃんを体から…心から出すしかない。」
俺は頷く。
「眠ってる時が一番感情が抜けやすいと思うの。つまりクロちゃんも同じ事。だから強制的に眠ってもらうってわけ!」
「そこで出てきたクロちゃんをやっつける。」
「そう!」
と、頭の中からころんと疑問が転がり出る。
「えっと。ごめん。全然話が変わるんだけど、今日詩織ちゃんがやっつけたクロちゃんなんだけどさ、いや、まぁ当たり前の事なのかもしんないんだけど…。」
「何よ?」
詩織ちゃんは足を止めて俺の顔を見る。
「いや、大きさが前の時より小さかった気がするんだよね。」
詩織ちゃんはなんだそんな事かと言わんばかりに鼻を鳴らして再び歩きだす。
「引き合う性質があるのよ。黒い感情には。」
「引き合う性質?」
「クロちゃんとクロちゃんはお互いに引き合ってくっつくの。最初はただの黒い感情でしか無かったのが引き合って集まることで、よりタチが悪い危害を加える事が出来るようになっちゃうの。」
「あーんと…。」
「例えば!滝本君が私に対してあんまり良い印象を持ってないとするわね。」
「そんな!」
「だから例えばの話しよ。最初は滝本君だけがそう思ってるだけで、何も起こらない。でも滝本君が友達に私の悪口を言うと、その言われた友達も私の事を良く思わなくなる。そして、一人が二人に伝えて二人が四人にって具合にどんどん広がって、やがてただの思いがイジメになる。クロちゃんもこれとおんなじよ。」
「そう!それよ!その時に心から抜けた怒りの気持ち、つまり矛先を失った怒り、憎しみ、妬みとかが色んな所から集まって一つにまとまったのがクロちゃんだと思うの。」
最もらしい詩織ちゃんの説明に俺は感心していた。
それに気を良くしたのか、詩織ちゃんは勢いづいて更に言葉を続ける。
「そのクロちゃんに取りつかれた人は自分の中のモヤモヤした感情が引き出されちゃうってわけ!」
詩織ちゃんは持っていたアイスの棒で俺の鳩尾の辺りを軽くつついた。
「な、なるほど!それで今日のアイツみたいにおかしくなるわけか。」
「そう!で、どう助けるか?クロちゃんを体から…心から出すしかない。」
俺は頷く。
「眠ってる時が一番感情が抜けやすいと思うの。つまりクロちゃんも同じ事。だから強制的に眠ってもらうってわけ!」
「そこで出てきたクロちゃんをやっつける。」
「そう!」
と、頭の中からころんと疑問が転がり出る。
「えっと。ごめん。全然話が変わるんだけど、今日詩織ちゃんがやっつけたクロちゃんなんだけどさ、いや、まぁ当たり前の事なのかもしんないんだけど…。」
「何よ?」
詩織ちゃんは足を止めて俺の顔を見る。
「いや、大きさが前の時より小さかった気がするんだよね。」
詩織ちゃんはなんだそんな事かと言わんばかりに鼻を鳴らして再び歩きだす。
「引き合う性質があるのよ。黒い感情には。」
「引き合う性質?」
「クロちゃんとクロちゃんはお互いに引き合ってくっつくの。最初はただの黒い感情でしか無かったのが引き合って集まることで、よりタチが悪い危害を加える事が出来るようになっちゃうの。」
「あーんと…。」
「例えば!滝本君が私に対してあんまり良い印象を持ってないとするわね。」
「そんな!」
「だから例えばの話しよ。最初は滝本君だけがそう思ってるだけで、何も起こらない。でも滝本君が友達に私の悪口を言うと、その言われた友達も私の事を良く思わなくなる。そして、一人が二人に伝えて二人が四人にって具合にどんどん広がって、やがてただの思いがイジメになる。クロちゃんもこれとおんなじよ。」

