…あたしが、初めて。


「…本当ですか?」


「嘘言ってどうするの。話す気になった?」


額を通じて伝わる誠さんの体温にドキドキしながら、近すぎるってくらいに近い誠さんの瞳を見つめた。


「…理子ちゃん、隠し事はなしだよ。ずっと一緒にいるんだから、隠し事なんてしてたら心が疲れちゃうよ」


“ずっと一緒”…。

誠さんはどこまで本気で言ってるのかな。

本当にずっと一緒なのかな。


「……衛生士さん」


「ん?」


「女の患者さん…」


「…理子ちゃん?」


きょとんとした表情で誠さんは首を傾げる。


「…あたしと昨日出会わなかったら、誠さんは他の患者さんに恋しちゃいましたか…?」