「何よ」
「髪、ちゃんとセットしたんだな。偉いじゃねーか」
「『自分で出来ないなら俺が毎日やりにくる』って脅したのはお前だよ」
「あははー。…じゃなくてさ、お前そんな格好してっから、男と思ってる人いるぜ?」
「ああ、賢美にも言われた。でも、それが何?」
「…嫌じゃないん?」
「女子トイレに入って悲鳴あげられなければ別にイイかな…て」
手堅いところを突くな、こいつ!
「あんこ、オメー顔はまあまあ可愛いんだから女らしくしとけって」
「知らんわ」
「てことで毎朝、髪梳け」
「やだ」
「それと、足、開かない!」
「…聡太の…」
「あ?」
「ドケチ」
「ンだと、っておいコラ待てー!」
猛烈なスピードで逃げ出した杏子16歳
「いちいちうっせーんだよクソババァ!!」
反抗期の青年風の言葉を吐きながらフルダッシュである!
「うおおおお」
聡太16歳、杏子よりははるかに優れた脚力で、
残念ながら、3秒フラットで捕獲された
「ヒィ!」
「あんこちゃん。…誰がクソババァですか?」
「ユーアー」
ゴッ
「ずつきっ(痛)」
聡太は捕まえた杏子に頭突きをぶちかまし、体から力が抜けた少女を肩に担いだ
「ぎゅあああはなせー!」
「反論しない!」
「うっせーはなせーへんたいちかん婦女暴行ー」
「や、ちょ、うるせっ」
きゃーきゃーしてみる