そしてパニックになる私を、さらに窮地(キュウチ)へと追いやったのは―――・・・・
「ちょいあんた。」
後ろかた声を掛けられた。
ビクっとかたが上る。
「こっち来いよ」
振り返ると、そこにもガラの悪そうな男子。
金髪でピアスが何個もあいていて、まさにチャラ男といったような感じ。
一ノ瀬先生は、さっきの男子生徒と窓から身を乗り出し口論中。
全く私の状況に気づいてくれない。
そして、こんな怖い怖いお兄さんとは無縁に生きてきた私は、抵抗したら何をされるか―――
そう考えて、大人しく付いていくことにした。
「逃げんなよ?」
ニヤニヤと笑い、私の腕を物凄い力で掴んできた。
「は、はい・・・」
廊下へとつれられた私は、
周りの生徒から珍しい物を見るかのようにジロジロ見られた。
いや・・・ここ男子校だし、実際珍しいんだろうけど…
