「ぬっ、拭石先輩ですよね?」
「え・・・そうだけど」
あきらかに不機嫌そうな顔をして、私を見下ろした。
「えと、今日の朝は、本当にありがとうございました!」
ペコっと頭を下げ、それからまた拭石先輩の顔を見ると、きょとんとしていた。
「朝?」
・・・・・へ?
まさか、忘れてる・・・・??
「はい。あの・・・助けていだだいて・・・」
「助けた?あんたを?」
あ、あんた?
口悪くない?
朝もこんなんだったっけ?
「てかあんたって、今学校で噂なってる、ここの高校に特別入学したヤツ?」
「あ・・・はい。そうです。」
「「・・・・・」」
少しの沈黙が続く。
そして彼がこの沈黙を破った。
