「ゆっ、許すも何も、私何もされてなかったので・・・」 「何もって…ははっ、君優しいね」 ・・・よくよく彼の顔を見て、私は自分の顔が赤くなっていくのが分かった。 筋の通った高い鼻。 薄くて綺麗なピンク色の唇に、長い睫毛。 そして、大きくクリクリした色素の薄い綺麗な瞳。 まさしく、世でいうイケメンってやつ…… 「あ!!桜木さーん!」 保健室から全力で掛けてきた一ノ瀬先生。 もの凄く大きな足音だっただろうけど、私の耳には届いていない。 だって私はしてしまったんだ… 恋、とかいうやつを―――