「謝れって」 「す、すいませんでした」 「声小っせぇんだけど?」 傷だらけの「金髪ゴリラ」とは正反対、 茶髪の彼は、かすり傷一つ作らなかった。 「すみませんでしたあ!!」 廊下中に響き渡った声。あたしはあまりにはハイスピードで過ぎていった出来事に、頭が着いていかなかった。 「・・・ってことでさ。こりたみたいだし、許してやってよ?」 「へ・・・?」 茶髪の彼が、イキナリ私に話しかけてくるもんだから拍子抜け。 「ね?」 ニコっと笑って見せたその笑顔は、さっきとは別人のようだった。