「今のには..」


「やっぱり那都君は
私なんか見てなかったんだ..
私は那都君と
付き合ってるんじゃないの??
私なんか那都君は
好きじゃないんでしょ?!!」


言っちゃった..


聞き入るかのように
静まる教室。


那都君も...
黙ったまま。




何も言わないってことは
本当なんだ....




私は耐えきれず
走って教室を出た。



「えみり先輩っ」


那都君が呼んでるのに
無視して。


付き合ってからそんなこと
一度も無かったのに。


こんなときまで
那都君の声が
愛しくてたまらなかった。

だから胸がズキズキ
いたむのも無視して、


ひたすら走った。