「何、朝から。」


私の朝一番の奇声、
ううん、切実な心の声が
教室に響きわたった。


...なんてことは
ないんだけど。

それなりに朝にしては
大きな声を出したから
少し低血圧の私の親友が
冷たくたってしょうがない
....よね、きっと。

それに機嫌が悪いのは
私の声のせいじゃないと
思うもん。



「とりあえず
おはよ-嘉弥。
嘉弥はまた沙智君??」


「おはよ。....うん。」


やっぱり。

私の親友、大山嘉弥は
ハニーブラウンに
ウェーブがかった髪。
色白で二重ぱっちりが
可愛いクラス1の美人さん。
欠点は言葉遣いが
ちょっと結構悪いこと。


ふつうなら彼氏が
引け目を感じるような
良い女。

....だけど、
嘉弥の彼氏は、違う。

嘉弥が引け目を感じるような
良い男。