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私は今、病院のベッドの上でこれを書いています。
今回のゲームが、おまえとの最後の遊びになるのかと思うととても淋しいよ。
私は、自分の知っている事全てをおまえに教えた。
おまえはとても優秀な生徒で、まるで渇ききった大地が雨水を吸い込むように知識を身に付けていったね。
けれど、千聖。
知識というものは、身に付けただけでは意味が無いのだよ。
それをいかに駆使してしていくかが大切なんだ。
それが出来て、初めて知識は持ち主を助けてくれる。
そして何より大切なのは、やり遂げようという強い思い。
意志だ。
これこそが、私がおまえに渡したかった宝なのだよ。
この二つがあれば、おまえの望む幸福はいつでもおまえの手の届く所にあるだろう。
私はその事を伝えたくて、このゲームを考えたんだ。
おまえに渡した七つの影の石からあの屋敷の人魚の絵を割り出し、そしてこのゆりかごの底で宝の箱を開ける――
まだ中学生のおまえには少し難しかったかもしれないが、おまえならきっとやり遂げると思っていたよ。
おまえはここへ辿り着くまでにどんな事を見、聞き、考え、行動して来たのだろうな。
私はそれを知る事が出来ないのが、とても残念だ。
千聖……
立派な人間になれとは言わない。
けれど、自分を含め、命を粗末にする人間には決してなってくれるな。
そして、大切な人と幸福になっておくれ。
それが私の最後の願いだ。
それでは、いつかまた会える時を楽しみにしているよ。
父さんと母さんを大切にな。
私のたった一人の可愛い孫、
千聖へ
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