奏恵は不意に外を見て、


「―――――あ、」


外の光景に思わず声を上げてしまった。


「?どうした」


狩賀とクラスメートが不審そうに奏恵へ視線を集めた。

それに対し、奏恵は笑顔で外を指差して応えた。



「虹………虹が出てる」



見れば雨雲の間に青空を垣間見せ、そこに七色の帯が流れている。
それを見て歓声を上げる生徒もいれば、失笑する生徒もいる。中には咎めるように奏恵を睨む生徒もいた。

狩賀は顔を引きつらせて奏恵に言った。


「お前………授業が終わったらここ残っとけ」


奏恵はきょとんと狩賀を見つめたが、狩賀とクラスメートはもう授業の続きに戻っていた。