「私も同じこと思ってたな。
絶対アイドルとは付き合えないって思ってて、でも結局そんな感じになっちゃって、別れたつもりだったけどビトが別れさせてくれなかった。」


それどういうことってきいたら、
別れた後にビトがお腹にいるって分かっちゃったんだよって、ちょっと照れながらべべさんは話してくれた。


ああ、出来ちゃった結婚ってやつなんだって言ったら、そうだねって笑われた。


「私はもう仕事も決まってたし、むこうで一人で育てようって思ってたんだけどさ、親と姉さんにだけそれを告白したら、あの人にもバラしてくれちゃて…」

それで無理やりみんなに内緒で結婚してくれたんだよって、そう懐かしそうに話した。


「だからさ、まあ色々あるのよ。姉さんだって、タクちゃんのファンの人に殺されそうになったしね。」


なにそれって聞いたら、昔のことだよって、お母さんはさらっと話を流した。

私が怖がるとか思ったのかな?



なんか二人の話をきいてたら、余計大変そうだなって思えてきちゃった。






「モモちゃんはビトが好きでしょ?」

べべさんにはっきりそう言われて、うんって思わず頷いた。


「だったら、あの子の気持ちも、ちゃんと受けとめてあげてね。
父親似で不器用だから、上手くいえないかもしれないけど・・・」


「うん、私もちゃんと考えてるよ。」




そう答えたら、ビトがレッスンを終えてうちにきてくれた。