「じゃあなんで、おじさんと結婚したの?
おじさんも、もろアイドルって感じじゃない?」

そうだね、どうしてだろうね?ッてべべさんは笑った。


「他の人と違って、優しかったからかな?」

ちょっと照れながらそれだけ答えてくれた。



「昔は、結構生意気で粋がってる子が多かったみたいだもんね。
最近は礼儀正しくて、真面目な子が多いよ。
ちゃんとそういう礼儀作法みたいなのも、事務所で教えるようになったって聞いてるし。」

母さんがフォローするように、そう付け足した。


「うん、なんかそんな感じだったよ。昨日おじさんもレッスン見にきてたんだけど、すっごく厳しかった。
ビトも頑張ってたよ。」


ビトがやる気出してくれて良かったなって、べべさんはぼんやりとつぶやいた。



「私ね、あんな事務所になんか入ったら頭が腐るとか暴言はいちゃったらさ、
あの人ってばムキになって”俺がちゃんと鍛えてやるから、やらせてやれ”って怒鳴ったんだ。
あんまり真剣だったから、思わず許しちゃったよ・・・」


なんか、そんなこといってるおじさんの姿が目に浮かぶな。



「そっか、なんかそういう感じなら、ビトをあそこに入れて良かったかもね・・・」

べべさんがそういったとたん、モモが帰ってきた。




「なにそれ?ビトがお父さんの事務所に入ったの?私聞いてないよ!!」




なんか新鮮にショックな表情をして、モモが立っていた。



「あ、ごめん。ビトに内緒にしてって言われてたから。」


僕が慌ててそう取り繕ってみても、
「そんな酷い!」って泣きそうになりながら、モモはすぐに自分の部屋に駆け上がってしまった。