もうすぐ一学期も終わる頃、その日はやけに暑い日だった。


久々に部活も休みだったから、モモと帰ろうかなと思って隣のクラスを覗いたら、何人かの女子と雑誌かなんかを読みながらキャーキャー話し込んでいた。



「あーレン君だ!モモを迎えにきたの?」

モモのクラスの女子が声をかけてくれた。

「うん、部活ないから、一緒に帰ろうかと思って。」

そう答えたら、仲良しでいいねーって冷やかされた。


「そういえばレン君、芸能界に入るってホント?」

なんだよそれ、はいんねーよって言ったら、大体お父さんが芸能人だと息子も入るもんなんでしょって言われた。



「俺は野球やってるから無理だよ。それに興味ないし。」



なんか噂ばっかり広まってやな感じだな・・・

そう言われると、余計やりたくないって思ってきた。


「もったいないよねーレン君かっこいいのに!?」


ハッキリそういわれて、ちょっと照れた。

こうやって女子に囲まれてわいわい言われると、調子が狂うよな。



「で、モモはまだ帰んないの?」


モモはこっちの話を聞いてんだか聞いてないんだか、不意に窓の外に目をやってビックリしていた。

ひとりの女子がなにかに気がついて、騒ぎ出したからだ。