ピー…ピー…ピー…

機械の音が弱々しい。

「大丈夫?」

母さんが訊いてきた。

「苦し…い」

多分、今の僕の状況で『苦しい』以外の言葉は言わないだろう。

「まだ、13歳なのに…」

「大丈夫…だよ」

「なにが?」

僕はニヤッと笑った。布団の中から保険証をだし、母さんに見せた。

「僕が死…んでも、誰かを……救えるんなら、僕は誰かを救い…たい。それが…証拠に……なる。僕が…生きた証に……」

ピーーーーッ

僕の意識がもったのはそこまでだった……。