正直、ここにいなかったんだと多分…というか絶対に学校内を走り回ることになっていただろう。


乱れた息を整えようと深呼吸を繰り返した。


「だ…大丈夫?」


不安げな和嘩の声が聞こえてくる。


それに頷いて大丈夫だということを伝えた。




「和嘩!!」


息が整ってすぐに和嘩の名前を呼んだ。


しかもかなり大きめの声で………。


呼ばれた本人はビクっと震えて吃りながらあたしに聞いてきた。


「り…梨羽………? ど、どうしたの?」


………うん、なんかゴメンね。


吃らす気はまったくなかったので多少の罪悪感が胸に広がる。




「和嘩センセー!!」


あたしは普通の声で言ったのだが…和嘩には聞こえなかったのだろうか?


「…は?」


とか言ってるし………。


「和嘩センセー!! 告白ってどうすればいいんですかー!?」


今度は今さっきよりも少し大きめの声で言った。


するとお茶を飲んでいた和嘩が噴いてしまった。


ぇ…ちょっ…汚いんですけど。


しかし噴いた当の本人はむせていてそれどころではないらしい。


むせるようなこと、あったっけ?