しかしそれを聞いた魁迩まで大爆笑…までとはいかないが笑い出した。
意味の分からない上にあたしだけ置いてきぼりの状態なのでイライラしてくる。
「ホント、分かってねぇよな」
あたしにしか聞こえない声でそう言った魁迩。
笑いの合間に見せた表情とその声でイライラが萎(しぼ)んでいったのは言うまでもない。
「柚木さーん!!」
時は流れて今は放課後。
呼び出しされるのは珍しくないのでいつも通り、それに応じる。
呼び出し…と言っても先生からではない。
男の先輩とか同級生の男子とか。
「はい」
いつも通りに返事を返す。
もう定着しつつある言葉になっている。
そして言われる言葉………。
『付き合って?』
そして今日も…
「付き合ってくれない?」
ほらね。
付き合ってって…どこに?
主語が抜けてますよ…。
「どこにですか?」
聞き返すと必ず『天然だったんだ…』と返ってきてどこかに行く。
今日の人も…
「天然、か。 付き合ってくれない?ってそーゆー意味じゃなくてオレが君のこと好きなの」
ほら、って…は?

