別れを決断した数時間前。


今はいつも通り二人で帰ってる。


何も変わりなく楽しそうに色んな話をする絢。


こんな楽しい時間も終わりに近づいてきた。


先輩とか、あたしを認めてくれた人には悪かったな………。


悲しませるなって言われてたのに…悲しませる事になっちゃって。


だけどこのまま付き合ってたら、その方が余計ダメだと思う。


だから…別れを告げる。


こんな自分勝手なあたしを好きになってくれてありがとう。


"友達"として好きだよ………。




「んじゃまた明日な!!」


そう言って手を振って帰ろうとする絢の腕を掴んだ。


「………え?」


まっすぐ、視線を逸らさずに…


「絢、別れて?」


時が止まったように動かなくなる二人。


「やっぱり………な。 オレじゃダメだったか」


悲しそうな笑顔を浮かべながらそう言った絢。


絢は………分かってたんだ。


気づかなかったのは本人のあたしだけか…。


「ごめん、は無しな。 これからは友達としてよろしく」


それだけ言って絢は帰っていった。


バイバイ………。