こちらが恥ずかしい。
でも、聞きたいこともあったので昼ご飯を付き合うことにした。
聞きたいこととは…噂が本当なのかどうなのか。
「んー…いい風。 気持ち良く寝れそ」
なんてサボる気満々な言い方の桐先輩。
だが忘れてはいけない本来の目的。
「桐先輩?」
呼びかければクルッとあたしの方を向いてくれた。
「何ー?」
「噂って…本当なんですか?」
まごまごとした聞き方が出来ないし嫌いなあたしはストレートに聞いた。
その時にあたし達を包む空気が変わったことを肌で感じ取れた。
「へぇ…知ってたんだ?」
今までとは違う、寂しそうな表情の桐先輩。
「前、噂聞いたことはあったんですけどもう一度聞くまでは忘れてました。 ただ、なんかひっかかってはいましだが」
そう言うと力無い微笑みを浮かべてくれた。
「その噂は本当"だった"よ」
………だった?
過去形ってことは…今は違うってこと?
そんなあたしの気持ちを察知したのか頷いてくれた。
あたしには…その事実だけで充分だった。