え…本気ですけど…何かダメなことでもあたし、言っちゃった!?


恐る恐る頷くと盛大なため息をつかれた。


「まさかここまで噂に疎(うと)かったとは…予想外だな」


その言葉にショックを受けたのは言うまでもないだろう。




落ち込んでいるあたしに説明をしてくれた。


「荏螺桐っていえばかなり有名だよ? 女タラシで彼女という名のセフレが何十人いる…とか、この学校の裏番だとか…よくない噂しか聞いたことないような先輩なんだけど………」


冷ややかな目で見られた。


うん、絢に言われたことを一言でまとめると最低最悪の人ってことだよね?


一人でウンウンと頷いていると理解したと分かってくれたようでいつもの絢に戻った。


その様子を見て、腹黒いな…と思ったが口には出さなかった。




「梨羽、好き」


昼休み、教室に入ってくると同時にそんなことを言ったのは朝、噂を知った…いや、訂正。


朝、噂を聞いてひっかかっていたことを思い出した桐先輩だ。


前の時、ひっかかってたのはこの噂だったみたい。


てか…堂々の告白はやめていただきたいものだ。