―コポコポ…
「いただきまーす。」
「どうぞ」
「ねぇ。さっきユメちゃん、
人に『夢のないやつだ』って
よく言われるってどうして?」
「理屈っぽいから」
「たとえば?」
「高校時代、
『キスなんか菌の移しあいじゃん』
って言うと友達いなくなったり」
「わー。ユメちゃん、
そんなこと言ってたら
キスできないよー」
「私、人が苦手なんです。
キスなんかできなくていいんです」
「え〜。そんな人いないよ〜」
「そんな人いますよ」
「嘘だあ。てゆうかね、
きっと、ユメちゃんが
苦手とかじゃなくて
周りが悪かったんだよ」
周り………
「……っ
あたしの話なんか
やめましょうよっ。
今日、由井川さん
どこで泊まるんですか?」
「ユメちゃん泊めてくれないの?!」
「は?そんなわけないでしょ!
雪降ってるから
数時間だけでも
寒さしのぎにって、
思っただけですよっ」
「え〜困るよ〜。
友達いないんだよ〜」
「そんなわけないでしょ」
「いや、ほんとに。
友達はすぐ作れるんだけど、
友達の彼女とも仲良しに…」
「………」
「いや、でもユメちゃんとは
マブダチになれる気がする!
何せ人間好きな俺が
人間嫌いなユメちゃんと
合わないはずがないよっ!」
「マブダチって死語…」
「ん?何、泊めてくれるの?」

