「でも瑠七はグランプリ取りたいんでしょ?」

「うん…」

「なら頑張らないとね♪」

「頑張らないとねって、そんな簡単に言わないでよ!あたしえみみたいに可愛くもないんだから!」

「可愛くなる!?簡単に出来るよ」

「は?冗談で言ってるんじゃないからね」

「もちろん本気で」

「正気で言ってる?」

「黙れ。えみの言うこと聞けば可愛くなれるからっ」

「うん、信じる」

「(笑)で、瑠七は芸能人で誰に憧れてる?」

「戸浦えみサン………」

「それ正気!?」

「もちろん!」

「(笑)、ありがとね。」

「えみぃー、戸浦さんみたいになるにはどうすればいいのぉー」

えみは目がくりくりの二重。

鼻はすーっとしてて顔は細くて面長。

手足がすらりと長くて色白。

背は高くて………………

到底辿り着けないじゃんっ


「瑠七はだんごっ鼻でボールに出来そうな丸顔、腕は短くて、少々肌は焼けてる。そして太ってる。そしてそしておチビさん」

「いじめか」

「でもあんたそれにしても運いいよね?」

「え?」

「足はまぁまぁ長くて奥二重だから。誰かに足長いって言われたことない?」

「あるっていえばある…」

「そりゃあ直したほうがもっと良くなる場所は沢山あるけど、自信持ちなよ。基本的には不細工じゃないから」

「ほんとうっすか!?」

「あと言葉遣いも直さないとね」

「はぁい……」


「思ってたより意外と簡単かも。でもあたしだけじゃ瑠七を支えれないなぁ…」

「へっ?」

気付いたらえみに左腕を掴まれ、

「着いてきて」

かなりのスピードで走りだした。