「さゆーう、この問題わかんないよー」
「どれどれ?」
席替えしてからというもの、
亜子はもっと話しかけてくるようになった。
・・・当たり前か。

いきなり冷たい態度をとるのも
さすがに可哀想かな・・・と思い、
普通でいることにした。

「さゆさ、好きな人いる?」

いきなりで、戸惑ったが
「うん。いるよ」
と、答えた。

やっぱり恋に花咲くお年頃。
人の恋バナは楽しいんだよね。

「だれだれーっ?」
言っていいのかな?
だめ・・・だよね。

「教えなーいっ」

キーンコーンカーンコーン♪
そんなこんなで
授業終わりのチャイムが鳴った。

亜子を置いて奈々と愛のところへ行った。

あたしたちは、いわゆる、いつめんだ。
あたし
えり
朝田奈々(あさだ・なな)
鈴川愛(すずかわ・あい)

二人とも、かわいくて憧れる。

_奈々。
迷惑いっぱいかけてごめん。
いつも相談乗ってくれてありがと。
やっぱ、うちの親友だね。