教室がある校舎から体育館へは渡り廊下を通っていかなければいけない。


渡り廊下には窓が何個かある片方は中庭が見えもう片方はグランドが見える。


夕方になるとグランドの風景に夕日が射し野球部やサッカー部の生徒達をオレンジ色に染める。


私はその風景が好きで通る度に見てる。


風景の中にはコウタがいた。
ユニフォームはいつも泥だらけ。いつも頑張ってるコウタが私は羨ましかった。


やっぱり私も料理クラブとかじゃなく何か運動部にでも入って汗を流すべきだったと痛感する。





『コウタ、今年の春の大会はどうなの?レギュラー取れるの?』


「ん〜どうかな。3年人数多いし2年の中にもうまい奴いっぱいいるからな…」


学ランの首の辺りのボタンを外しながら言った。



『そっか…。頑張ってね!応援してる』


素直な気持ちだった。


コウタは小学生の時から野球が大好きで
いつも昼休みになると友達を集めてやっていた。


中学でも野球部に入り。
キャプテンだった。


そういえば小学生の卒業文集にコウタってば



【夢はプロ越えてメジャー!!】


って書いてあったっけ。


でかいなぁ…。
でも叶って欲しいな。



あれ?そういえば私って何書いたんだっけ?思い出せない…





ギギギギィ…



重い体育館の鉄の扉を開けた。


早く来たつもりが皆すでに準備に取り掛かっていた。



体育館は緑色のカーペットが敷かれていた。



私達は折りたたみイスを並べ始めた。


お昼12時のチャイムが鳴った。



私のお腹も"グゥ〜"!!っと鳴った。



お腹が空いてフラフラ…(;´Д`)ノ



そんな私に気付いたのか?


コウタがポケットから飴を出し私の頭の上にポンっと置いた。


「ほれ!腹が減っては準備が出来ず!食え!」


『あ、ありがと…』



飴を見ると"カレー味"っと書かれてた。


なんじゃこりゃ…