桜が散りゆく頃。


 美陽は、良川に入学できた。

――良川には入れたのも、トモコのおかげだな。――

 そんな思いを噛み締めながら、入学式に臨んだ。

 まぁ、無事に終わったけど。


 入学した後、放課後行くところがあった。

 それは、あの工場だ。


「トモコ。美陽だよ。」

 もう、あの時みたいには現れない。

 まぁ、挨拶みたいだと思ってね。

 合掌して、家に帰った。


 トモコがいなくても、あの日記と、心の中でいつも出会っている。

 だって、本当の友達だから。



          終わり