その日の夕方。


「美陽。行くよ。」
「分かった。」

 なんだか、嫌な気分だった。

 ちかの死を聞いて、亜里抄が泣き崩れる姿を思い出して。

 って、なんで同感しているの?


「美陽。大丈夫?」

「あっ、平気だよ。」

 手をつないで、

「ナンネンデマラナナナ二オラ・・・・・・」

 今日は、美陽が呪文を唱える。


 たどり着いた先は、この町を流れる川。

 下流なので、水深は相当深い。はずだよ。