資料をソファーの後ろから渡されて見てみると、黒猫の画像が一緒にあった。
マンスス・・・じゃなくてマンクスという種目の特徴は先ほど言っていたように、本当に尻尾が短いようだ。
その他、名前は「アミアンタス」というのが本来の名前のようだ。
アミアンタスっていうのは鉱物のひとつの名称らしい。
ていうかそんな情報いらない。
でも資料いわく、アミアンタスが繊維状のナントカらしく、それが結集みたいなのして、いい感じに切ったら猫の目のような感じになるらしい。
すんごい意味のある言葉なんだな。
ていうか、おしゃれ。


「ふうん。
こんな猫いっぱい居そうだけどね・・・。」


「日本猫とは違いまして、マン島という島で生きていた猫です。
おそらく数はそんなに多くはないと思われます。
後は資料読みながらでも現場に早く行きなさい。」


ちらっと音無はパソコンに向かってカタカタと打ち込んでいる。
おそらく今回の依頼内容の資料化を・・・。
いや、やつのことだからもう違う仕事をしているな・・・。
妙に早いのがこいつの仕事。
肉弾戦は僕に任せるし・・・。
僕は勢いよく立ち上がって更衣室から抜けれる出入り口の方のドアに手をおいた。


「じゃあちょっと行ってきますねぇ。」


「はいはい。
見つかるまで帰ってこなくて結構ですよ。」


ひどい。
いい加減泣いてもいいだろうか?
この1ヶ月こんな感じで見放されてる気がするぞ!!!!
空けたドアのドアノブにかかっていた手をだらんとさせた。


「いいから早くドアしめる。
本宮が連れて来た猫がこっちの部屋に入ってきちゃいますから。」


「うううううい。」


更衣室のほうに本宮が拾ってきた猫がたくさんいる。
そして一匹事務所のほうに入ろうとしていた。


「ああ、だめだめ。
音無おじちゃん猫が嫌いみたいだからいっちゃだめだよーー。」


そういって三毛猫を抱き上げた。


「私はあなたが嫌いなだけですよ。
それにおじさんってあなたと同期で年齢も一緒です。」


閉める瞬間にそんなこと言われたら心折れちゃうって。